差出人不明のチョコレートをきっかけに、中学生の男女の揺れる心情を描く

目次

  1. Home >
  2. 小説 >
  3. Who loves whom? >
  4. その6

Who loves whom?

その6

「あー、中で出すとこだった」
 マキの白い肌に飛び散った白い精液をティッシュで拭き取りながら、ヒロは安堵の息を漏らす。AVによくあるように最後は顔射で、などと考えていたのだが、いざ射精が近づくと気持ちよすぎてそのまま中出しするところだった。
 マキは自分でも胸の精液を拭きながら、つい笑みを零す。セックスとはそういうものだと知っていたはずなのに、実際にヒロと肌を触れ合わせたときにはすでに避妊のことなど頭から吹っ飛んでしまっていた。自分の快楽よりマキの体の心配を優先してくれたヒロの優しさに嬉しくなる。
「ヒロって優しいね」
「付き合い長いのに、今頃気がついた?」
 ヒロにいつもの憎まれ口が戻ってきた。セックスした後、変にぎくしゃくした関係になったらどうしようかとマキは不安だったが、杞憂だったようだ。
「でも、多分、マキはイッてないよね?」
「イクってよく分かんないけど……気持ちよかったよ」
「ほんとに?」
「うん、ほんと」
「ならよかった」
 マキの体と自分のペニスを拭き終えたヒロは、マキの隣に転がり込んだ。マキがその隣に寄り添い、彼女の温もりをヒロに伝える。
「アキさんに感謝しないとな」
 ヒロは幸福感をたっぷり感じながら言った。
「……は?」
「だってほら、アキさんが背中を押してくれなければ、マキとこういうことになってなかっただろうし、マキが好きだってことにすら気づかなかったかも」
 言いながらマキを見て、ヒロは笑顔のまま固まってしまった。
 マキが、凄い形相でヒロを睨んでいた。怨嗟のこもった瞳で鋭くヒロを睨み据える。
「なんでお姉ちゃんの話?」
「え。だからアキさんが背中を押してくれたから、こうして」
「そうじゃなくて、なんで今、その話をすんの?」
「なんでって……というか、マキこそなんで怒ってんだ?」
 マキは奥歯を噛みしめる。ついにヒロと結ばれた幸せな余韻に浸っていたのに、ヒロが姉の名前を出した瞬間にそんな幸福感は吹き飛んでしまった。
 二人で気持ちを確かめ合って、キスして、セックスまでしたというのに、愛し合った直後になんで他の女の話をするのだろう。やっぱり、ヒロは心のどこかでアキのことを追いかけているのだろうか。セックスまでしても、まだ自分はヒロの心を独占することはできないのだろうか。
「忘れさせてやる」
 マキは勢いよく上体を起こした。
「え、なに?」
「お姉ちゃんの事なんて、忘れさせてやる」
 ヒロを睨み付けると、マキはおもむろにヒロのペニスを掴んだ。
「うわっ?!」
 思わずヒロは腰を引く。マキの形相からして、握り潰す気かとかなり本気で焦った。
 だが、マキは握り潰すとはほど遠い力加減でペニスを両手で包むと、すでに萎えているペニスを思い切って口に含んだ。心地よい温かさに包まれて、さっきとは違う意味でヒロは腰を引いた。
「く……」
 一番敏感な部分をマキの暖かい舌が刺激し、瞬く間にペニスが大きく膨らむ。
 急激に大きくなったペニスにマキは目を白黒させつつも、口の中で亀頭に舌を這わせた。聞きかじりの知識を総動員し、ヒロを悦ばせるために必死でペニスを頬張る。
 マキのフェラチオはペニスを出入りさせたりはしないが、口の中で亀頭を中心に動き回る舌がカリ首や尿道口といった敏感な部分をもれなく刺激し、気持ちよすぎてあっという間に射精しそうだった。
「マキ、ちょっとストップ」
 ヒロがマキの肩を叩く。
「あんまりやると出ちゃうよ。次は僕の番」
 自分だけじゃなく、ヒロもマキを気持ちよくさせてあげたかった。
 だが、マキはペニスを加えたまま上目遣いで軽くヒロを一瞥しただけで、何事もなかったようにフェラチオを続ける。急激に快感が込み上げてペニスが不随意に跳ね、ヒロは慌ててマキを自分の股間から引き離した。
「出ちゃうって!」
 マキは口こそ離さざるをえなかったものの、手だけはペニスを掴んだまま離さなかった。無意識に握る力を強めてしまったマキの手の中でペニスが激しく脈動する。
「あ、あっ」
 ヒロは女性のような絶頂の声を上げてのけぞる。マキに強く握られていたせいで精液は飛ばず、だがマキの握力に打ち勝って大量にダラダラと漏れ出し、ペニスとそれを握るマキの白い手を粘液まみれにした。
「くぅ……」
 普段とは違う射精感に全身を強ばらせていたヒロは、絶頂が終わると脱力したようにベッドに大の字になった。
「気持ちよかった?」
 マキは両手にまとわりつく精液を指先でいじり回しながらヒロを見た。
「すっごく気持ちよかったよ」
「ふふん」
 マキは満足げな笑みを浮かべながら、手に付いている精液を舌先で舐めた。独特の匂いと味にわずかに眉をひそめ、ティッシュで精液を拭き取る。それでもなんとなくさっぱりしなくて、ベッドを降りて机にあったウェットティッシュでもう一度手を拭いた。
 マキの華奢な背中や肉付きの薄い小さなお尻を眺めていたヒロは、起き上がってベッドを降りると、背後から彼女の細い腰を抱きしめた。マキは驚いて一瞬、体を強ばらせる。
「わっ、こら、ヒロ」
「次は僕の番って言っただろ」
「番って何が……ひゃっ?」
 ヒロの手が秘部に伸び、マキはすくみ上がった。狙ったわけではないのだが、ヒロの指先は過たずにマキのクリトリスを捉えていた。クリトリスが硬くなり、敏感な部分が露わになる。
「んっ、あっ……」
 これ幸いとヒロがクリトリスを責め立てると、マキは断続的に体を震わせた。
「も、もっと優しくってば」
 マキが声を上げるが、手と口だけであっさりとイカされてしまったさっきの仕返しのため、ヒロはとびっきり意地の悪い声でマキの耳元に囁く。
「それって、舐めて欲しいって言ってるのかな?」
 マキは顔を真っ赤にして肩越しにヒロを睨んだ。彼女が何か言いかけるのを、ヒロはクリトリスをいじることで封じる。
「あっ……!」
 マキはヒロの手を押さえるものの、ヒロは指先の動きだけで巧みにクリトリスを刺激する。マキは片手で懸命にヒロの動きを抑えつつ、残る片方の手を机に着いた。クリトリスから生まれる不思議な感覚がじんわりと広がっていき、脚に力が入らなくなってくる。
「ちょ、ちょっと待って」
「やだ。マキがイクまでやめない」
 止まらない愛撫に、マキは奥歯を噛みしめる。確かに気持ちはいいが、だんだん快感が高まっていく自分の体が怖くなり、完全には快感に身を任せることができなかった。
 それでも、ヒロの愛撫は続く。歯を食いしばり、呻きにも似た声を漏らしながらも耐えていたが、どうしようもなく快感が高まっていき、もうこれ以上は我慢できないと感じて掴んでいたヒロの手に思い切り爪を立てた。
「いてっ! 何すん……!」
 ヒロは慌てて手を離す。その瞬間、支えを失って崩れ落ちるようにマキは床に座り込んだ。
「だ、大丈夫か、マキ?」
 ヒロは驚いてマキの肩を抱く。マキは執拗なクリトリス責めに抗議の視線を送るが、頬は紅潮し瞳は熱っぽく潤み、半開きの唇からはやや乱れた息が漏れており、彼女が確実に快感の渦の中にいたことを如実に表していた。
「ひょっとして、イッた?」
「分かん……ない」
 震えた声を吐き出したマキを、ヒロは無理矢理抱き起こす。驚くマキに構うことなくベッドまで連れて行き、彼女とともにベッドに転がり込んだ。マキに覆い被さったヒロのペニスは、すでに二発も出した後とは思えないほど頑強にそそり立っていた。
「わからないなら、わかるまでイかせるよ」
 言いながら、ヒロは彼女の秘部にペニスを押し当てる。
 絶頂に達したかどうか分からないというのでは多分、マキは達していないのだろう。絶頂に導くことができなかったのは残念だが、同時にチャンスでもあった。どうせなら指や口ではなく、自分の武器で果てさせてやりたかった。
「あ」
「う」
 ペニスを膣に挿入すると、ヒロとマキは同時に声を漏らした。さほど勢いよく突き入れたわけではないのに、何の抵抗感もなくあっさりと一番奥まで達してしまった。一回目とは段違いに、マキの中が暖かく濡れていた。
「痛くない?」
「う、うん、大丈夫」
 マキに無理をしている様子がないのを確認して、ヒロはゆっくり腰を動かす。膣は非常に狭くてきついが、中がたっぷりと濡れているおかげでスムーズに出し入れすることができる。とても気持ちよく、ヒロは緩んだ口元から熱い息を吐き出した。マキが果てる前にヒロが射精してしまいそうだった。
 ヒロとは対照的に、マキは唇を真一文字に結んでいた。なぜか情熱が感じられないマキの表情にヒロは少し落胆し、彼女を自分と同じく快感に誘うべく、マキの胸にむしゃぶりついた。小さいが硬く尖っている両の乳首を、最初は舌で優しく丹念に刺激し、唾液まみれになったところで指先で強めに擦り上げる。
「はぁっ……」
 マキがか細い声を漏らす。ヒロが顔を上げると、マキは背中を反らして喘いでいた。
「気持ちよくなってきた?」
 ヒロが頬を綻ばせると、マキは悔しげに唇を噛んだ。
 実のところを言えば、クリトリス責めの熱さがまだ残っていたせいで、マキは挿入された時点で一度目とは比べものにならないほどの快感を得ていた。ただ、どこまで気持ちよくなるか分からない怖さと、恥ずかしい痴態をヒロに晒してしまうのではないかという不安から、必死で快感と興奮を押さえ込んでいたのである。
 でも、それもそろそろ限界だった。勝手に声が出てしまいそうで、マキは両手で顔を覆う。
「だめだよ」
 ヒロがマキの両手を退かす。
「顔隠すの禁止」
 言いながらヒロがクリトリスを指先で刺激する。挿入されながらのクリトリス責めはさっき以上に気持ちよく、マキは腰を震わせながらのけぞった。
「ふあっ」
 マキが必死でヒロの手を抑える。ヒロはそれを制し、お互いの指を絡め合うようにマキの両手を握る。
「これで顔を隠したり、パンチしたり、爪でひっかいたりはできないな」
 ヒロの皮肉にも、マキは反論する余裕がなかった。
 ヒロとしっかりと指を絡め合ってマキは恍惚としていた。ヒロと手をつなぐなんて幼稚園か小学校低学年のころ以来だ。幼稚園の先生が、手をつなげば心も繋がるとか言っていた気がするが、あれは本当のことかもしれない。この上なく幸せだった。ヒロの手を握る手にも自然と力が入る。
「ヒロ、好き……」
 熱に浮かされたように漏らしたマキの言葉に、ヒロは胸が詰まった。自分では何度か言ったが、マキから「好き」と言ってくれたのは初めてのような気がする。
「僕も好きだよ、マキ」
 愛しさでいっぱいになりながらヒロは腰を突く。ペニスを締め付けるような狭さにもかかわらず、中が熱く濡れているおかげでマキの一番深いところまで何度も何度も貫いた。
「あ、んっ」
 マキは快感に身悶えする。声や体が反応してしまうのを止められなかったし、もう我慢する気もなかった。
「あっ、ヒロ、私……!」
「気持ちいいんでしょ。一緒にイこう、マキ」
 ヒロはラストスパートを掛ける。もともととろけてしまいそうなほど気持ちの良かったマキの中が、さっきから頻繁に伸縮を繰り返して敏感なペニスを刺激している上、彼女の可愛らしい痴態を見せつけられている興奮で、もう射精寸前だった。
 ヒロの激しい責めが生み出す激しい快感に何度も体をくねらせながら、マキは自分とヒロをもっと密着させようとしてヒロの腰に両脚をきつく絡めた。
「ヒロ、ヒ……ロ……!」
 波のように押し寄せる快感に声を詰まらせ、マキは目を見開いて仰け反った。
「あっ……ああああっ!」
 目がくらむような快感が体中を駆け巡る。生まれて初めて経験する絶頂の強烈さに、マキは悲鳴のような声を上げながらヒロの手を握りしめた。
 膣が締まり、ペニスを強く締め付けられたヒロもほとんど同時に絶頂の波に襲われた。
「あ、あっ、イクっ!」
 ペニスが大きく脈動して勢いよく精液を放出する。それを搾り取ろうとするかのように膣が何度も収縮を繰り返し、ヒロは三度目の射精とは思えないほどの長い絶頂を味わった。
「マキ……」
 ヒロの長い射精が終わった後も、マキはまだ快楽から完全には解放されずに放心したような虚ろな目をしていたが、ヒロの手だけは離していなかった。ヒロはそんな彼女がとても愛おしくなり、思いの丈を込めたキスを重ねた。

▲PageTop

  1. Home >
  2. 小説 >
  3. Who loves whom? >
  4. その6