おてんば少女が宿敵に挑む

目次

  1. Home >
  2. 小説 >
  3. バレンタイン協奏曲 >
  4. 第一楽章・後

バレンタイン協奏曲

第一楽章・後

 最後まで残っていたショーツを脱ぎ捨て、全裸になった志麻はベッドの上にペタリと座り込む。肝は据わってる方だと自分でも思っているが、さすがに恥ずかしい。
 残念ながら発育の方にはあまり自信がない。特に胸に関して言えば、大人びた真菜にはもちろん、志麻より小柄な美朱にさえ負けている。
 耕輔の反応が気になってそっと目を向けてみると、耕輔はジーパンを脱ぐ途中の格好のままじっと志麻の裸体を見ていた。
「うわっ、なにガン見してんの」
「……あ、いやいや、そういうわけじゃ」
「んじゃ、どういうわけよ。つーか、委員長もさっさと脱ぐ!」
 促されて耕輔はあわててジーパンを脱ぐ。そして、志麻と同じように最後まで残したトランクスを一気に脱ぎ下ろした。
「うわ、デカっ」
 耕輔がトランクスを下げた瞬間に勢いよく顔を出したペニスに、志麻はさすがにびっくりして声を上げてしまった。それは、今までズボンの中でどうやって隠れていたかと思うほど猛々しく反り返っていた。
「し、志麻こそガン見すんなよ」
「眺めてるだけだよ」
「同じじゃん」
 耕輔は少し顔を赤くしながら志麻の隣に腰掛ける。近くで見ると、ペニスはますます大きく見えた。
「触っていい?」
「あ、ああ、いいよ」
 志麻はペニスを優しく両手で包む。熱をはらんだペニスが、志麻の手の中で小さく跳ねた。
「へぇ、男の人のってこうなってるんだ。こうすると気持ちいいんだっけ?」
 言いながら、ペニスをさするように両手を動かす。耕輔は震えるような息を吐き出す。
「志麻、どこでこういうの覚えたの?」
「エロマンガとか」
「そ、そんなの読んでるのか?」
「こういうときの予習だよ。予習は大事じゃん?」
「授業の予習は滅多にしてこないのに?」
「うっさい」
 志麻は腹いせに竿を強く握りしめた。耕輔が声にならない声を上げて呻くのを見て笑い出しながら、すぐに力を緩める。
「大丈夫だった?」
「ひどいよ、志麻」
「ごめんねー」
 志麻はペニスを撫でながら、耕輔ではなくペニスに言い聞かせるように言った。
「志麻ばっかりズルいぞ。俺にも志麻の触らせてよ」
「うん、いいよ」
「なら、足開けよ」
「えー?」
 志麻は不満の声を上げたが、仕方なく横座りから座り直して、体育座りの格好で少し足を開いた。
「もっと開いて」
「注文多い」
 文句を言いながらも注文通りに大きく足を開いた。まだ閉じたままの割れ目が露わになる。
「志麻、触るよ」
「うん」
 耕輔の指先が陰裂に触れた。その冷たい感触に志麻は思わず声を漏らす。
「んっ……」
「あ、ごめん。痛かった?」
「ん、大丈夫。触っていいよ、優しくね」
「わかった」
 耕輔の指が割れ目をこする。最初は優しくと言うよりは恐る恐るといった感じだったが、徐々に大胆にリズムよく志麻を刺激し始めた。志麻より幾分冷たい指先の感触が新鮮な快感を与える。
 志麻は徐々に濡れてくるのを感じた。耕輔にも気づかれてしまうなと思っていたら案の定、しばらく動き続けていた耕輔の手が止まった。
「志麻、濡れてきた?」
 返事の代わりに志麻はペニスを握る手に力を込めた。再び耕輔は呻く。
「そういうことはいちいち聞かないモンなの」
「わ、わかったよ」
 やんわりと耕輔をにらみつけてから、志麻は先ほどよりさらに固さを増したような気がするペニスに再び愛撫を続ける。
 その間にも、耕輔も志麻への愛撫を繰り返している。志麻は気持ちよさに声が出そうになり、耕輔のペニスを一心不乱にこすって気を紛らわせる。
「ちょ、ちょっとタイム、志麻。出ちゃうよ」
「え?」
 志麻は少し手を止めたが、意味を察して再び手を動かす。
「ちょっ、志麻!」
「出せばいいじゃん」
「え、ちょっ、マジで出る!」
 耕輔が呻くと同時にペニスが大きく跳ね、勢いよく精液が飛び出した。志麻はその勢いに驚きつつ、飛び出る精液を受け止めるように亀頭を両手で包む。ペニスは何度か脈動を続け、それが収まる頃には志麻の両手は精液まみれになっていた。
「うわ、ベタベタ」
 志麻はティッシュで手を拭きながら呆然とした様子の耕輔を覗き込む、
「気持ちよかった?」
「うん、すっげえ気持ちよかった」
「そんじゃあさ、あたしもその、もう少しなんだ」
 耕輔の手をつかみ、その指先をクリトリスへと誘導する。自分で誘導しておきながら、耕輔の指先がクリトリスに触れた瞬間、思わず体を震わせてしまった。
「ここ、気持ちいいの?」
「うん、そこ好き」
「じゃあ、志麻も気持ちよくしてやるよ」
 耕輔の指先は、割れ目をえぐるように蠢いてクリトリスを撫で上げる。膣口とクリトリスの同時責めに、志麻は域を乱して耕輔にすがりついた。
 志麻の反応に気をよくした耕輔は、さらに動きを加速した。もともと途中まで高まっていた志麻の快感が一気に高まる。
「イッ……ク……!」
 快感が弾け、志麻は体を震わせながら耕輔に抱きついた。いつものお転婆な志麻からは想像が付かない姿に、耕輔は我慢できずに志麻を押し倒して覆い被さった。
「ちょっ……」
「だめだ、志麻。もう我慢できない」
 発射したばかりだというのに、そう言う耕輔のペニスははち切れんばかりに膨張し、硬直していた。
 志麻としては快感の余韻と、抱きしめた耕輔の肌の感触をもう少し堪能していたかったのだが、確かにこの様子では我慢できそうにないようだった。
「いいよ、しても」
「志麻……」
 耕輔がペニスを志麻の割れ目にあてがう。
「ん、もうちょっと下かな」
「あ、このへん?」
「そう、そこだと思う」
 志麻が指で少し割れ目を広げてみせると、耕輔にも小さい膣口が見えた。初めて見る女の子の性器に、耕輔は思わず生唾を飲み下す。
「じゃあ、入れるよ」
 耕輔がペニスを押しつける。
 ペニスが徐々にめり込んでくると志麻も感じた瞬間、耕輔が腰に力を入れ、志麻の膣をペニスが一気に貫いた。突然の激しい侵入とそれに伴う痛みに、志麻は呻く。
「いっ……! ちょっと委員長。もうちょっと優しくしてよ!」
「え、あ、ごめん」
 志麻はしばらくシーツを握り締めて痛みに耐えていたが、大きく息を吐き出して体の力を抜いた。額に汗が浮かぶのを感じる。思いがけずすんなり入ったのは志麻が多分に濡れていたからだと思うが、それにしても勢いよすぎだ。
「あたしだって初めてなんだから、もう少しゆっくり」
「こ、これくらいならどう?」
 耕輔がゆっくりとペニスを抽送する。
 自分のお腹の中をペニスが出入りする不思議な感触を、志麻は息を潜めて感じ取る。痛みはあるが、このくらいなら我慢できそうだ。
「うん、それくらいなら大丈夫」
「じゃあ、続けるよ」
 耕輔がゆっくりと腰を動かす。痛みにもかかわらず、志麻は自然と頬を緩めていた。確かに痛い、でもそれだからこそ耕輔と一つにつながっている実感が沸く。
「わ、笑うなよ、志麻」
「ん、なんで?」
「俺だって初めてなんだから、ヘタクソなのは仕方ないだろ」
 志麻は思わず本当に笑い出した。耕輔が上手いか下手かなんて志麻にはわからないが、スポーツも勉強も何でも出来る耕輔にも、自信を持って臨めないことがあるというのがなんとなくおかしかった。
「だから笑うなって」
「ごめんごめん。そういうんじゃないんだ。なんていうか、委員長とセックスしてるんだなって思ったら、なんとなく嬉しくなっちゃって」
 なぜか耕輔は赤面した。そんな様子に志麻はますます楽しくなる。幸せってこういうのを言うのかもしれないと、柄にもないことも考えてしまう。
「ね、委員長、もっと早く動いてもいいよ」
「え、大丈夫か?」
「うん。その代わり、ずっとこうしてるよ?」
 言いながら、志麻は耕輔の背中に両腕を回した。耕輔は照れたようにさらに顔を赤くしたが、志麻に答えるように耕輔も志麻の体を強く抱きしめた。
「動くよ」
 今までより大きく速く、耕輔は腰を動かす。二人の間で、破瓜の血が混ざった愛液が小さく水音を立てる。
 しばらく無言が続いた。耕輔は志麻の膣の中の快感に、志麻は耕輔とのセックスという行為そのものに、それぞれ没頭していた。
 やがて、耕輔は腰の動きを止めて、熱い息を何度か繰り返す。紅潮した表情が、彼の快感を物語る。
「あれ、出たの?」
「いや、まだ。でも気持ちよすぎて、もうすぐ出ちゃいそう」
「遠慮しなくても、いっぱい気持ちよくなっていいよ。──あ、待って」
 動きを再開しようとする耕輔を志麻が押しとどめる。
「あたしが上になって、気持ちよくさせて上げる」
「えっ?」
「ほら、早く」
 志麻は耕輔を押し退けると、耕輔を仰向けに寝かせてその上に跨った。志麻の下で、ペニスが天を衝くようにそそり立っている。そのペニスの先端を膣口の位置に微調整し、一気に腰を沈めた。
「あっ」
 ペニスに貫かれ、志麻は思わず声を上げた。勢いが良すぎたのか、それとも体勢のせいか、さっきまでよりもさらに奥までペニスが達し、痛みとともに体を脳まで貫くような得体の知れない感覚に身悶えする。
「志麻、大丈夫?」
「だ、大丈夫。動くからね」
 気を取り直し、ペニスが抜けそうになるギリギリのところまで腰を浮かせ、一気に腰を下ろす。耕輔が気持ちよさそうに呻いた。
 志麻は調子に乗ってそれを何度か繰り返してみたが、思っていたより疲れて大変なので、体を沈めてペニスを奥まで飲み込んだ状態で腰を前後に動かしてみた。思っているようにスムーズには動けないが、自分の中でペニスが蠢くような感覚が思いの外、心地よかった。
「委員長、これどう?」
「すっごい気持ちいい」
 その言葉に嘘はなく、耕輔は本当に気持ちよさそうに何度かのけぞっていた。
 気持ちよさを堪能しながらしばらく志麻にされるがままになっていた耕輔は、持て余していた両手を志麻の体に這わせる。自分を跨る両脚から細い腰へと愛撫の手が伸び、そして小振りな乳房の中心で堅く尖らせている乳首に達した瞬間、志麻は電気が走るような感覚に襲われてのけぞった。
「あっ……」
「志麻、ここ気持ちいいの?」
「わ、わかんない。もちょっと触ってみて」
 耕輔は頷いて、指の腹で乳首をこする。しばらくいじられていると、この初めての感覚は志麻にもはっきりとわかる形で快感に変わっていった。乳首が気持ちいいと言うより、乳首をいじられることで全身が気持ちよくなっていくという感じだった。
 志麻は気持ちよさにうっとりした。オナニーするときも、胸を触っても全然気持ちよくないのでクリトリスばっかりいじっていた。自分でいじるのではなく耕輔にいじられているから気持ちいいのか、それとも膣の中にペニスをくわえ込みながらいじられるから気持ちいいのかは分からないが、今まで感じたことがない快感だった。
「気持ちいい……!」
「じゃあ、二人で気持ちよくなろう」
 耕輔も下から腰を突き上げ始めた。志麻の前後の動きと耕輔の上下の動きで、ペニスが膣の中で複雑に暴れ回る。さらに乳首までこねくり回されると、気持ちよすぎて破瓜の痛みなんて吹っ飛んでしまった。
「あ……あ、あっ」
 声も勝手に漏れてしまう。腰の動きもほとんど無意識に、半ば痙攣気味に繰り返し、耕輔を気持ちよくするという以上に、自分の快感を高める行為になっていた。
「ん、あっ、イク、イクっ……!」
「お、俺も出るっ!」
 耕輔が快感に呻きながら射精すると同時に、二度、三度と下から大きく腰を突き上げた。
「んあっ、あっ、あああぁっ!」
 限界寸前まで高まっていた快感が、それがトドメとなって弾けた。脈打つペニスに呼応するように膣の奥が収縮し、体を弓のようにしならせて絶頂に悶えていたが、快感の波が引き始めると同時に脱力して耕輔の体の上に倒れ込んだ。
「志麻……」
 耕輔が志麻の体を優しく抱きしめる。長い絶頂の波が引いて志麻もようやく体の感覚を取り戻したが、幸福感と快感の余韻でしばらくは動く気にはなれなかった。


「それにしても志麻、可愛かったよ」
 二人とも心身ともに落ち着きを取り戻してから、チョコレートケーキの包みのラッピングを開きながら耕輔が言った。体を動かせば腹も減るというわけで、志麻が耕輔の家を訪ねる大義名分だったチョコの伴食に取りかかろうというわけである。
「委員長、頼むから思い出さないで。恥ずかしいから」
「なんで恥ずかしいのさ?」
「恥ずかしいに決まってんじゃん」
 志麻はふくれっ面を枕に埋める。初体験だというのに散々いやらしく体をくねらせ、はしたない声も上げてしまった。我ながら潔いほどの乱れっぷりである。
「告白したら即座に恋が実って、その日のうちにエッチ。しかも初体験なのにイカされちゃうって、どんなエロマンガの世界よ、これは」
「例えるなら、エロマンガじゃなくせめてドラマって言えよ」
「告ったその日にエッチまでしちゃうドラマなんて見たことないねー」
 耕輔は苦笑しながらケーキの箱を開け、中を見て声を上げた。
「あれ。志麻、ケーキ二つ入ってるよ」
「へ?」
 志麻も起き上がって箱を覗く。確かにチョコレートケーキが二つ入っていた。何度か首をかしげ、ふと思い当たった。
「あー、お菓子屋がオマケにくれたやつだ」
「一個買って、もう一個オマケにくれたの? 変わったお菓子屋だね」
 志麻は呆れてため息をついた。あの気のいい店員は、オマケにつけてくれたケーキをプレゼントの箱の中に一緒に入れてラッピングしてしまったらしい。それに気づかなかった自分もどうかしてると思うが、これじゃ最初から伴食をする気だったと思われてしまうではないか。
「一人一個ずつでちょうどいいね」
 耕輔の言葉に、志麻はもう一度ため息をついた。一つのケーキを分け合って食べるという楽しい光景が水の泡となってしまった。後であのお菓子屋に猛抗議を入れておこう。
「あ、そうだ」
 思い出して志麻は携帯電話を取りだした。あそこで買わなかった美朱はいいとして、ひょっとしたら真菜も同じことになってるかもしれないから、今のうちに警告をしておいた方が良さそうだ。
 そのついでに、事の顛末も話してやろうかと思う。

▲PageTop

  1. Home >
  2. 小説 >
  3. バレンタイン協奏曲 >
  4. 第一楽章・後